ワイヤレス・マトリョミン登場

マトリョミンはその軽量さ、コンパクトさが真骨頂ですが、人前で演奏するとなるとケーブルやらなにやら色々接続して結構面倒くさいことになりがちです。もちろんマトリョミンを電池起動で内蔵スピーカーで音を出すなら完全なスタンドアロンの楽器として演奏できますが、伴奏に合わせてとなると、やはりアンプやミキサーに接続しての演奏となります。

そのため「マトリョミン」をなんとかシールドなしのスタンドアロンで演奏しつつもアンプやミキサーに接続するワイヤレス・マトリョミンにできないものかと以前から考えていました。そしてついにそれを実現する日がやってきました。先日ワイヤレスのトランスミッターを入手したからです。

勇んでトランスミッターをマトリョミンに接続してスピーカーからの出力音を確認しようとしたら、「全くの無音」でした。電波的な干渉とかがあってマトリョミンとワイヤレスシステムは共存できないのかと思いましたが、普通のテルミンを同じワイヤレスシステムで接続したときに、「こういう接続だとモノラルになるんだ」とわかったことを思い出しました。つまり楽器用のワイヤレスシステムはモノラルなんです。ステレオに慣れていると忘れがちですが楽器は基本モノラルな音でそれらを複数集めて左右にパンを分けるとステレオになるというものだったことを思い出しました。

マトリョミンはその例外で、楽器の出力自体がステレオになっていてミニプラグジャックもステレオタイプが必要です。ここにモノラルのジャックをさしても音を拾ってくれない訳です。そこでAmazonからステレオ・モノラル変換プラグをワンコインで購入して、変換プラグをつけてワイヤレスシステムに接続したところ、無事ワイヤレス・マトリョミンで演奏ができました。

チューニングや演奏にワイヤレスシステムが干渉したり影響があるのではと心配していましたが、そういうことも全くないようでした。宅録するような用途では、実際に邪魔になるのはマトリョミンに接続するケーブルよりも、ヘッドホンのケーブルだと私は思っていたので、ヘッドホン側をワイヤレスにして演奏してみると、かなり快適な演奏環境になりました。この場合もモノラル・ステレオ変換プラグは必要です。なんせワイヤレスシステムは出力もモノラルなので、ヘッドホンから片耳しか聞こえなくなるのは気持ちが悪いので、ヘッドホンにつける受信側のレシーバーにモノラル・ステレオ変換プラグをかませてから接続することで両耳で聞こえるようになり快適な演奏環境になりました。

テルミンもマトリョミンもヘッドホンをして演奏すると、ヘッドホンのケーブルが演奏に影響を与えるので、実質的にはワイヤレス環境にすべきなのは、ヘッドホンだったというのが私の経験から得たノウハウです。